福井全館空調システム『F-CON』とSDGsについて~最終目~
2022/12/09
福井でリフォームをメインに営業している、株式会社藤田です。
今回は、17のゴールのうちの2つ
11番目の『住み続けられるまちづくりを』
都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする
12番目の『つくる責任 つかう責任』
持続可能な消費と生産のパターンを確保する
について、お話しさせていただきます。
全館空調システム『F-CON』はできる限り内装材をセットにして販売しているのですが
その際に弊社では自然素材にこだわったオリジナルの漆喰や珪藻土を推奨しています。
本項目ではその理由を解説させていただきます。
建築材料に使われる内装材の中で、もっとも使用面積が多いのは壁紙です。
「壁紙」と綴るくらいなのですべて紙製だと思いがちですが、日本の住宅で使用されている
ほとんどが塩化ビニール素材。
いわゆるビニールクロスです。
一般社団法人日本壁装協会によると、塩化ビニール樹脂系壁紙の出荷量は日本国内だけで
年間約5億6,600㎡。
健康志向の高まりを受けて紙クロスや不織布(フリース)壁紙の需要も徐々に高まってきているとはいえ
2020 年時点で全体の92 % をビニールクロスが占めていました。
皆さんはビニールクロスが何から作られているかご存知ですか。
種類によってばらつきはあるものの、多くの場合、表面部分は主原料であるポリ塩化ビニールに
可塑剤・安定剤・発泡剤・無機質充填剤・着色剤などを混練した樹脂で構成
(※裏面の多くはパルプ繊維です)
このビニール樹脂を裏打紙と呼ばれる厚手の紙に接着剤で貼り、さらに石膏ボードとくっ付けていきます。
普段からビニールクロスの成分に注意を向けている方は少ないと思いますが、改めて文字にすると
いろいろな添加物から作られていることに気付かされるでしょう。
ビニールクロスや接着剤に含まれる添加物は化学物質を発生します。
この時、表面が糊で覆われているために湿気を吸放出できず、カビが生えて室内の空気が汚染。
これがシックハウス症候群を引き起こす一因となり、頭痛・鼻炎・皮膚炎・ぜんそく・アトピーなどの
アレルギー諸症状を悪化させるおそれもあります。
可塑剤には塩化ビニールを軟らかくする働きがあり、施工がしやすくなる半面、一部の専門家から
「可塑剤に含まれるDOP が発がん性や生殖毒性を持つ内分泌かく乱物質(環境ホルモン)の1 つではないか」
との指摘も受けています。
動物実験で発ガン性の報告例も挙がっていますが、一方で健康や環境に被害はないとの声もあり
今の段階では一概に判断できません。
ちなみに、欧米でのビニールクロス普及率は低く、特に病院や学校といった公共施設では健康被害を
考慮して使用できなくなっている地域もあるようです。
また、ビニールクロスが抱えている課題は健康面だけに留まりません。
2020 年に国内へ出荷された約5 億6,600㎡を重さに換算すると約17 万t。
廃棄量はそのおよそ55%(約93,500kg)と推計されています。
ビニール樹脂自体はリサイクルに適しているものの、ビニール樹脂とパルプ繊維の複合製品である
ビニールクロスは再利用が困難。
リサイクル率はわずか1%前後とも言われ、多くが埋め立て処分されている現状です。言わずもがな
埋め立て処分場の残余容量にも限界はあります。
健康と環境にとって理想的な生活スタイルを追求している弊社は、懸念材料が完全に払拭されない以上
ビニールクロスを推奨できません。
そのため、全館空調システム『F-CON』を販売する際は必須で内装材をセットにし、環境負荷を下げる
漆喰や珪藻土をオススメしています。
また、壁紙もラインナップしていますが、当然ビニールクロスではなく、紙クロスを取り扱っています。
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